SpaceFわひね(wahine) 

一人ひとりが思いを、あるときは共有し、あるときは自由にたゆたう。。そんな場所をめざして 

2012年

03月23日

(金曜日)

2012年3月17日(土)「災害と心のケア」報告

「災害と心のケア」~震災後に起きる心理的反応と回復~
を下記のように実施しました。
日時:2012年3月17日(土)13:30~15:30 
場所:千葉市男女共同参画センター2階研修室A2
講師:KIMIKA(きみか)
 心理カウンセラー(認定心理士)、アートセラピスト
   KIMIKAさんのブログ→http://blogs.yahoo.co.jp/lifeforce48
雨の中ご参加くださった皆さま、ありがとうございました。

DSCN0356.jpg

まずは、重いテーマに参加してくださった方々の気持ちをほぐす意味でアイスブレイク。二人一組になって、朝起きてから会場へ来るまでの間の気持ちなどを2分ぐらい交互に話します。(聞く側はただ黙って聞くだけ、相槌やうなずきは最小限に“事実”ではなく“気持ち”というところがキモです)
全員でシェアします。

第1部では
KIMIKAさんが昨年2月ニュージーランドのクライストチャーチで体験した震災と現在活動中の南三陸町の状況を聞いた後、災害時の心のケアに関して、詳しくひも解いてもらいました。

◆トラウマ:生死にかかわる体験(自然災害:地震・洪水・火事など、人災:戦争・犯罪・虐待・強姦・DVなど)により出る症状についての話
 ①過覚醒症状(睡眠障害) ②回避・否認行動、感情の鈍麻 ③フラッシュバック、悪夢 
 これが長期化するとPTSD(Post traumatic stress disorder)と言われること など。
◆トラウマ体験に因り症状が出るのは誰にでも等しく当たり前だということ。
◆肉親や友人、大切な思い出、慣れ親しんだ町、肉体的欠損、自尊心などの喪失体験から回復する過程として考えられること。
否認→怒り→取引→抑うつ→受容(諦め、許し)
◆災害反応の過程として考えられること。
茫然自失→英雄(ヒーロー)→ハネムーン期→幻滅→復興
          などなどについて丁寧に話がありました。

◆「(二次被害を防ぐために)どんな聴き方をしたらいいでしょう」というワークでは2つのケースをロールプレイ。どちらが正しいとは判断せず、ロールプレイの感想を話し合いました。
◆望ましい聴き方
 ・話し手の状況を理解しその状況では当たり前のことだと受容する姿勢
 ・聴く、しかし聴きすぎない
 ・“語らせる”ことのリスクを知る(二次受傷もありうる)
 ・被災状況の再体験は新たな傷つきになる可能性がある
 ・共にいる・偏見のない視点          などを念頭におくこと。

※ここに記した内容は私なりにまとめたダイジェスト版です。専門用語の説明など省略しています。詳細については私の思い違いもあるかもしれませんがご了承ください。KIMIKAさんの話を聴いたり話し合える機会をまた企画できたらご案内したいと思います。その折にはぜひ直接!

休憩を挟んで第2部ではクライストチャーチの現在の様子を写真で紹介。
あちらの“復興”は、なかなか進んでいないとはいえ大急ぎで瓦礫の撤去や道路再建が大規模に行われている日本と少し様子が違います。
 当初は軍隊によって警戒態勢が敷かれていた立ち入り禁止区域は今も“レッドゾーン”として柵や金網で囲われています。しかし市民たちの自発的な個々の手によって網に花やリボンやアップリケなどが飾られていたり、道路の陥没や建物の半壊場所に置かれた(工事用)三角ポール(日本の三角コーンに似ています)は毛糸や布などでケーキのようにデコレーションされていたり、金網の前には花で飾られた椅子が置かれていたり。
更地には鮮やかな色の敷石が置かれたり、誰かが置いた青く塗られた冷蔵庫には本が入っていて出し入れ自由になっていて、そこが交流の場になっていたり、

三角コーン

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 がけ崩れ防止のためには船便用コンテナが設置されていたり、レッドゾーンの前には色彩豊かに塗られたコンテナショップが開かれていたり(すでにあるものを再生して利用するアイデア)。

崖

コンテナ
(写真はKIMIKAさんがクライストチャーチで2012年に撮影)
自由な発想で市民が作りだすものを誰も非難したり排除したりすることなく拡がっているようです。
(1年前にKIMIKAさんが柵に結んだリボンがこの2月にまだそのままあったそうです)
日本だったらどうでしょうか・・・
復興について、KIMIKAさんから「“元通り”に“早く”戻るのが復興でしょうか?」という問いかけもありました。
また、心の復興は個々にペースがあり、一概には言えないが、それでも被災者一人ひとりの語りはまだまだなされていない。それどころか、現実は周りから期待される被災者像というものに振り回されてしまうケースも多くあります。

クライストチャーチ在住の日本人たちが被災地とつながるサンドアートプロジェクトを企画して実施したことの報告もありました。その企画の主な担い手はクライストチャーチで被災し日本の震災にも心を痛めている女性たちですが、この企画を実施する過程の中で、彼女たちは東北被災地とつながることだけでなく、自分たち自身の力が少しずつ強まって立ち直っていく力を得ていくこともできたようです。


サンドアート

KIMIKAさんの報告と“災害と心のケア”についての話を聞いて、私たちにできることをあらためて考えます。東北地震や原発の被災者の人だけでなく、身近なところに様々な“被害”を受けた人がいます。専門家でない私ができることは限られています。そんな私がさらに二次被害を与えないよう、また自分も受傷しないよう、心したいと思います。
“聴きすぎない”“語らせることのリスクを知る”が今回の講座から私がいただいたポイントです。

参加者からの感想に「アートやユーモアが支援でも他のことでも必要だけど、そもそも日本には根づいていないような気がする、どうすれば根づくのか、アートワークショップなどの体験を重ねていけばいいのか今後話し合ってみたい」というような言葉がありました。
深刻な状況でもちょっと違う視点から眺めると少しだけ気持ちに余裕が生まれることがあります。枠にとらわれず身近な品物や画材を手にとって遊んでみること、そんな心持ちを置き去りにせず日々暮らす。。。

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