SpaceFわひね(wahine) 

一人ひとりが思いを、あるときは共有し、あるときは自由にたゆたう。。そんな場所をめざして 

2010年

09月12日

(日曜日)

最近読んだ本

コミックの合間に読んだ3冊、お気に召したらお試しください。
(残念ながらわひねには置いてないです、すみません、お急ぎの方はお近くの書店か図書館でどうぞ)

デビュー作「FUTON」ではそれほど強い印象を持っていなかったので
あまり期待せずに読んだ
2010年度上半期直木賞受賞作「小さいおうち」

tiisaiouti.jpg

受賞後いくつかの書評をちらほら斜め読みしていたものの、
読み終わってみて、
多くの書評が、私がこの作品に感じた、通奏低音ともエッセンスとも思える“秘密”に、
触れていないことに、感謝しましたね。
読者への親切で、あえて避けているのでしょう。
(気付いてないってことはないよね)

この作品の一般的な評価はこんなところが大勢か。
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/column/20100701/1032258/

↑ここでもあげられているように、吉屋信子の雰囲気があるな~という印象を
漠然と感じてはいたものの、
語り手(書き手)である主人公が亡くなった後に
唯一の読者であった親類の若者が、彼が抱いた謎を解いていく末尾に至って、
ようやく、そこここに示されていた真相?を確信するというありさま。
我ながら不覚にも鈍感でした。この程度の伏線には気づいて当然だろ!
小説自体のトーンが、邪推を覚えさせつつ抑え込むという雰囲気を持っているからか?
それも作者の力量と思えばちょっと悔しくて、かつ嬉しい。
(ヤラレタ!と思わされることがいろんなアートに触れる時の私の価値観!)
・・・という個人的な感想はこの作品の主題とはズレてます、はい、ごめんなさい。

語り手(書き手)である主人公が、書いていくにしたがって
“巷に溢れる自分史や「おばあさんの知恵袋」的なものとは一線を画したものを書く”
という自覚を強めていくところが気に入りましたね~
自尊感を、誰にも誇示することなく胸の内で高めていく、かっこいいです。

ガラリと変わって
わひねブログではおなじみの、三浦しをんの2冊
「星間商事株式会社社史編纂室」と「きみはポラリス」
星間商事  きみはポラリス

男性が主役の作品が多い三浦しをんですが、
ここで紹介する作品は趣が少し違います。どちらも巧い!です。
特に「星間~」は彼女の“掌中の珠”とも言うべき(おおげさか)分野への
思いと知識がいかんなく発揮されて、しをんファンとしてはたまりません~

「きみはポラリス」は、あまり“恋愛小説”を書いていない彼女の貴重?な一冊。
世間の注目も、原稿の注文も「あのこと」ばかり。なら、「恋愛」とやらを、とことん描いてやろうじゃないの! ということで始まった小説集。裏切り、結婚、犯罪、信仰、偏愛、同性愛……これも恋、あれも愛の、あれこれに男女の機微と深淵を思い知らされます。本気で恋し、誰かに愛されたいなら読むしかない、われらの時代の「聖典(バイブル)」。(本の帯より)

短編集ですが、どの作品も、自分が
「知っている・感じている・わかっていると思い込んでいること」を、
いつのまにかどこかに置き去りにしたり鈍感になってしまっているってことに
気づかせてくれました。

それにしても、最近ハードボイルドから遠ざかっておりいかがなものか。
(誰に対して嘆いているのか・・)

コメント

●NO TITLE

> この作品の一般的な評価はこんなところが大勢か。
> http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/column/20100701/1032258/

↑『小さいおうち』を読み終わってから、この書評を読んでみた。
つまんない書評ですねー
これじゃ、昭和を懐かしむただの回顧録みたい。。。

わたしは、それまで微かに予兆を感じさせるいくつかの符合が、
終盤で一気に解き明かされるミステリックな展開に脱帽しました。
(電車の中で読みながら、鬼気迫る顔になってたかも。。。)
だけど、最後まで明らかにされないこともあり、そこがまたよい!
時子さんの息子にも、タキさんの甥っ子にも、
たぶん分からないだろう「女たちのつながり」は、
いろいろな可能性を感じさせます~

コメントの投稿

管理人にだけ読んでもらう

HOME