SpaceFわひね(wahine) 

一人ひとりが思いを、あるときは共有し、あるときは自由にたゆたう。。そんな場所をめざして 

2018年

04月03日

(火曜日)

潮田登久子 BIBLIOTHECA/本の景色

新聞に「土門拳賞」受賞者、潮田登久子の写真集から一葉の写真が掲載されていました。
https://mainichi.jp/articles/20180316/ddm/010/040/002000c
「BIBLIOTHECA/本の景色」
BIBLIOTHECA9.jpg

様々な時代に多様な運命を辿ってきた「本」に触る楽しみを見つけた私は、例えば、15世紀ヨーロッパの修道士たちが聖務日課に用いた一抱えもある大きな祈禱書が目の前に現れた時、その存在感にただ驚き圧倒されるばかりでした。 羊皮紙に手書きのグレゴリオ聖歌と詩篇が刺青のごとく刻まれていて、美しくも残酷な姿です。 室町時代なのか、あるいは江戸時代のものなのか、黄ばんだ和紙の屛風仕立ての経文の一面に星屑のように穿たれた穴は、昆虫のフルホンシバンムシが来る日も来る日も経文を唱えるように食んでいった証ではないかと思ったりするのです。 生まれて初めて辞書引きを習った小学2年生の使っている国語の教科書には、彼らが身の回りにある「言葉」や「物」たちを手当たり次第に辞書引きし、付箋を貼りつめたものでした。 白菜やブロッコリーのようでもあり、彼らの脳みそのようでもあります。 「本」をオブジェとして写真撮影を試みているうちに、情報の担い手という「本」自体の持っている役割を越えて、新たに「本」そのものの存在が魅力となって浮き上がってきました。


私は本が好きです。どちらかといえば本の中味。人から借りたり図書館の本などはなるべく原型を崩さないように読みますが、自分のものは結構乱雑に扱っているので、売買には向きません。。。
しかしどれだけ丁寧に慎重に扱って保管しても朽ちてしまうのですね、紙であるからには。

この「BIBLIOTHECA」は、一頁一頁ゆっくりと開かざるを得ません。モノトーンの写真と紙質の味わいがそうさせるようです。
写真の中にはもはや本の体裁を失っているものも多いのですが、実に生命+が感じられるのが怖いくらいです。停止しているとは思えない。。。

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