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2018年

03月03日

(土曜日)

男女の立ちイチ 変えた「あさイチ」 

またしても、毎日新聞夕刊から。
バラエティや情報番組をほとんどみないので、列記されているエピソードをほとんど知らないですが、職場の昼休みの話題に出る時は好意的な印象で語られています。
うがった見方をすれば、この好感度が高いこの番組で、NHKの中でのバランスをとるという意向もあったのか?
司会の二人は、局側のそんな思惑が強くなってきて、距離を取りたかったのか?
後任の女子アナは男性司会者の二人より年下、たちイチは従来の様相に戻るのか(それもNHK編成局の狙いか?)

特集ワイド 男女の立ちイチ 変えた「あさイチ」 ざっくばらん有働さん、絶妙フォローのイノッチ
毎日新聞2018年3月1日 東京夕刊

朝の情報番組に新しい風を吹き込んだ「顔」が、4月に交代する。NHKの「あさイチ」のキャスターを務めているアナウンサー、有働由美子さんとアイドルグループ「V6」の井ノ原快彦さんが、今月末にそろって降板するのだ。早くも「ロス」が心配されるほど、番組に引きつけられたのはなぜだろうか。【田村彰子】

 「主な視聴者である主婦の多くは、有働さんや井ノ原さんを画面の向こうで共に暮らす人と思っていたはず。2人が画面からいなくなれば、喪失感を覚える人は一定数いるでしょうね」。上智大教授(メディア文化論)の碓井広義さんは「ロス」が避けられないと予測する。

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 今や朝の定番となったあさイチは2010年3月29日に放送開始。朝の連続テレビ小説が終わると、有働さんと井ノ原さんらが朝ドラの感想を述べ合う「朝ドラ受け」が定着した。

 冒頭では、ドラマを見ていた有働さんが涙を抑えきれず井ノ原さんからハンカチを手渡されたり、驚いて付けまつ毛が取れたりするシーンがあり、度々話題になった。この親しみやすさが人気の秘密だと、碓井さんは見る。「朝ドラ受けによって『視聴者と私たちは一緒に居るんですよ』と強く印象付けることができました。垣根を下げて視聴者に番組に入ってもらいやすくする方法は、あさイチの躍進で一つの成功例になったのでしょう」。視聴率は10%以上をキープし、同じ時間帯の番組では独走状態だ。

 キャスター同士の息のあったやり取りは魅力の一つだ。それは、キャスター交代を発表した2月7日にも表れていた。

 有働さん、井ノ原さん、解説委員の柳沢秀夫さんが横一列に並んだ。有働さんが「3月いっぱいでこの3人でお伝えするあさイチは、終わりということになります」と切り出すと、井ノ原さんが引き取る。「友達みたいな感覚があったんです。よく3人で飲みに行ったりしましたけど、僕はですね、誰か1人が辞めるんだったら、みんなで辞めた方がいいとずっと思っていたので」。さりげない語り口で、仲間との絆を打ち明けた。

 他局が取り上げる時事ネタ、芸能ニュース、芸能人の不倫騒動などのゴシップを扱わないのもあさイチの大きな特徴だ。「身近なことで、役に立つ、気になることを取り上げる。良い意味で、徹底した視聴者本位、女性目線でつくられています」と碓井さんは感心する。

 「徹底した女性目線」というキーワードに基づいた番組づくりは、元NHK局員でTBSテレビ番組審議会委員の佐藤智恵さんも感じ取っている。「テレビ番組の責任者はほとんど男性なので、主たるターゲットの主婦層が見たい番組を考えても限界があります。一方、あさイチの制作現場は女性スタッフの意見がとても通りやすい職場だと聞いています」

 米国テレビ局での勤務中は、女性中心のテレビ番組が日本でもあっていいと感じていた。「米国では出演者、観客とも女性だけという番組があります。でも、日本はそういう番組がほとんどないし、有働さんのように、番組を仕切れる女性キャスターは少ない。確かに、夜のスポーツ番組を男性目線でつくるのは、男性視聴者が多いので理にかなっているのでしょう。でも、女性視聴者が多い朝の情報番組は、もっと女性が前に出てもいい。実際、米国の朝番組のキャスターは女性が多いんです」

 それだけに、有働さんが番組進行を切り盛りし、井ノ原さんがそれをサポートするシーンに目が引きつけられた。「従来の番組では当たり前だった、男性司会者がリードし、女性キャスターがそのサポートに回るという構図を逆転させたのは画期的でした」と話す。

 女性を引き立たせる井ノ原さんの役割、その存在の大きさは、「男性学の新展開」などの著書がある、大正大准教授(男性学)の田中俊之さんも認めている。「特にテレビの世界では、男性は場を仕切る能力が重宝されたり、意見が女性より重く扱われたりしがちです。でも、男性側もそれを偏見だと認め、切り替える時期だと思います。実際の社会には、井ノ原さんのように人の心の動きに関心を払い、あえて目立とうとしない男性もいる。そして、そういう人もいるから社会は回っているんです」

 その代表例は、前述した涙を浮かべている有働さんに井ノ原さんがハンカチを渡すシーンだ。「井ノ原ハンカチ」と呼ばれ、視聴者に好意的に受け止められている。有働さんの「独身キャラ」が番組の中でことさら強調された回では、井ノ原さんは「この人が強いから言っていいとかじゃなくて、相手がどう思うかってことを常に考えないと」と放送中にスタッフに突っ込み、女性たちを感激させた。旧来型のスタイルではないキャスターを望む広い受け皿があることを番組は証明したのだろう。

 あさイチは、新しい男女の立ち位置を示した番組であり、それをある程度の視聴者が支持したことは今後の番組づくりのヒントになる、と田中さんは考えている。

多様な番組、後に続く?
 番組では、女性の生理的な問題を熱心に取り上げてきた。例えば、暑い時期の女性のわき汗、膣(ちつ)トレーニング、閉経--。セックスレス特集など話題になった回に出演していたエッセイストの小島慶子さんは「男性の幻想ではない、生身の女性」が扱われたことに変化を感じている。「このようなテーマが視聴者に受け入れられたのは、ありがちな『女のぶっちゃけ話』とは違う、真剣な取り上げ方をしたことが大きいのでは」と考える。そして隠し味になっていたのは、やはり男性キャスターのバランス感覚だ。

 「女性の問題を幅広く取り上げても、視聴者の拒否反応が起きなかったのは、女性に対して性的な視点で語らない井ノ原さんの存在があったから。自分とは違う身体を持つ人に対する敬意を感じました。有働さんや視聴者を『うわあ、女性のわき汗!?』とちゃかすことはありません。人間、そういうこともあるよね、と。だから、あさイチを見て悩んでいる気持ちが楽になった視聴者は多いのではないでしょうか」

 もちろん有働さんも「上から目線」で語ることはない。「キャリアを積んだ大人ならではの落ち着きと、優等生的なコメントで済ませない率直さが、視聴者の共感を呼んだのでは。テレビで取り上げづらい話題だからこそ、有働さんの実感のこもった言葉が信用されたのだと思います」

 これまでのあさイチの良さが、4月の「衣替え」する番組だけではなく、他の番組にも引き継がれてほしいと、小島さんは期待している。

 「有働さんと井ノ原さんと一緒に育った視聴者がいます。その人たちに向けた番組があっていい。また、共働きや単身世帯が増え、働く女性も多い現在では、悩みや幸福観もさまざまです。まだまだ男性が多いテレビの現場では、女性像が画一化しがち。NHKに限らず、画面に映る女性の年齢や役割はもっと幅広くていいと思います。実際、世の中にはいろんな女性がいるのですから」

 あさイチが変えたテレビの「常識」は、今後、広がりを見せていくのだろうか。

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