SpaceFわひね(wahine) 

一人ひとりが思いを、あるときは共有し、あるときは自由にたゆたう。。そんな場所をめざして 

2018年

02月25日

(日曜日)

テーラー伊三郎

いやいや旅のお供としてはキケンなエンタメ小説!
火炎瓶を投げる(?)82歳のじいさん!

「テーラー伊三郎」
テーラー伊三郎_


昨年初冬頃紹介された記事を目にし、内容をよく知らないまま読み始めました。
「嘘の木」のビクトリア朝の重苦しさから、今度は震災後の福島の小さな商店街で鬱々とくらす男子高校生の話。
頭のギアチェンジが必要か。。。と思いきや、読み進むにつれて、物語のもつ歴史的な背景が思い切りリンクしているじゃありませんか!我ながらビックリ。ま、こじつけだけど。

主人公(「海色」と書いてアクアマリンと読ませる!)の灰色の日常は、これまでなるべく接触を避けていた"年寄り"達に出くわしたことから、一気に沸き立つ世界へ加速していきます。
ここに登場する商店街の80代のじいさんばあさん達がもつ潜在能力?が発揮されていく様にはわくわくします。
彼らの、若者からみると"頑固さ"も、観方によってはしたたかな知恵に裏付けされているだけでなく、意外に融通無碍だったりするので、主人公アクア達の若さを新鮮に、率直に、寛容に包んで受け止めていき、相乗効果がぐんぐん花開いていくのです。

この物語を若い読者はどう感じるのだろう?年寄りを見る目が少し変わる?
かたい頭になってきた年寄り読者は自分たちを見る目が変わる?
わが年齢を前提に選んだわけではないけれど、この老人たちに出会えて、やはり私もこのまま身の程わきまえず自分にとって面白い日々(他人さまには理解されなくても)を愉しんで行こうと思えるのです。

アクアの同志となる福島弁全開の明日香が傾倒している"スチームパンク"はビクトリア朝の文化どっぷり、伊三郎が作り出す"コール・パレネ"は同時期のフランスのコスチュームデザイン。
アクアはエロ漫画の母親のアシスタントを否応なしで手伝う内にこの時代の歴史や文化の知識を深めていて、彼らが生み出す"革命"が福島の小さな商店街の人々だけでなく日本から世界へ広がっていくのか・・・

短い旅の間車窓を楽しむことと、物語の続きを妄想する非現実性で、脳内がキケンな状態でした。

「スチームパンク」を熱く語る明日香の話を読んでいて、私の頭には大友克洋の「スチームボーイ」がまず浮かび、「おお!」と一気に世界観が広がりました。
型破りな歴史エロ漫画を描きまくるアクアの母咲子のこだわりも、漫画愛好者としては興味深く、作品がどこかで実現化しないものかと妄想しますもん。津田咲子作「サンテティエンヌ寄宿学校の処罰」読みたい!
そして伊三郎が作り出し、個性豊かなばあさん達がコール・パレネをコーディネイトした姿を見たい!
さらにアクアの友達隼人とカメラ屋の大澤じいさんが作ったウェブサイトを見たい!

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