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SpaceFわひね(wahine) 

一人ひとりが思いを、あるときは共有し、あるときは自由にたゆたう。。そんな場所をめざして 

2013年

01月25日

(金曜日)

アルバート氏の人生

アルバート氏の人生(Albert Nobbs)

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エンドロールが流れ始めたら、
シネイド(私の中ではシンニード)・オコナーが歌う主題歌が流れてきて
(歌詞は主演のグレン・クローズが書いたそうな)
感慨が一層静かに染み入ってきましたね~
一緒に行った映画好きの友は場内が明るくなって開口一番
「久しぶりに映画らしい映画見た~」

見終わったあと一様でない色んな思いが起こってきて一言では語れない映画でした。
グレン・クローズが30年前に舞台で演じてから
大画面でやりたいとずっと願って、企画をコツコツ温めていたとのこと。
脚本の草稿を練り、資金調達、キャスティングやロケハンにも奔走してようやく実現。

19世紀のアイルランド。
モリソンズホテルでウェイターとして働くアルバート(グレン・クローズ)。
人付き合いを避け、ひっそりと生活しているアルバートは、
長年、誰にも言えない重大な秘密を隠してきた。
それは、“彼”が貧しく孤独な生活から逃げるため
男性として生きてきた“女性”だったということだった・・・・・。

14歳の時、男になりすまして職を手にいれる変わりに、性を捨てる―。
誰とも関われない≪孤独な世界≫で生きる事を選んだアルバート。
40年以上もたった独りで生きてきたが、ある日、数奇な運命を背負いながらも
自分らしく生きるヒューバートに出会い、固く閉ざされた心の扉が開き出す…


ヒューバートはモリソンズホテルにペンキ職人としてやってきて、
ホテルのメイド達も惹きつける大柄でなかなか魅力的な“男性”。
“彼”の素性に強く気持ちをかきたてられたアルバートは“彼”の自宅を訪れ
彼の生活を知り、影響され触発されて自我を揺さぶられ
これまでの静かな生き方から一歩踏み出し始めるのだけれど...
踏み出したら結構自分勝手なアルバート、
これが実際のところ正真正銘の?偏屈なオッサンの思い一念の独断的な行動で、
そこにはペーソスと滑稽さが入り混じって漂うのです。

当時の何も持たない女たちが、身を底辺まで落とす一歩手前で踏みとどまって
ギリギリの自負心を捨てず生きていくことの大変さをあらためて思います。
アルバートが生涯かけて叶えようとしていた夢もう少しで実現、
と思いきや報われぬまま・・・
が、アルバートが動いたことで転機を得た者もいて・・・
世間を遠ざけていて暮らしていてもいつか機が熟して
人生を生ききることができることができると考えると
そう捨てたものじゃないですね。

この映画一人で見るもよし、誰かと一緒もよし、
自分ひとりの“じんわり感”をあたためるもよし、語りたくなるもよし。
映画化を実現させたグレン・クローズに感謝です。

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