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SpaceFわひね(wahine) 

一人ひとりが思いを、あるときは共有し、あるときは自由にたゆたう。。そんな場所をめざして 

2018年

04月28日

(土曜日)

アートな1日

旅から戻って4月になり諸々気になることがある中で、二つのアート展をはしごしたのは先々週のある日。(どちらもすでに終了していましす)

猫好きな友人と以前から約束していた猪熊弦一郎の「猫展」
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2月に四国丸亀市の猪熊弦一郎現代美術館や松山市の伊丹十三記念館に行った折に彼らの猫アートを見ましたし、昨今の猫ブームや周囲の愛猫家たちの話に洗脳されたわけではありませんが、興味覚えて観覧。

具象画のリアルな猫より、線描画やデザイン化された猫たちが魅力的でした。会期の終盤だったせいか猫Tシャツやハンカチなどのグッズは売り切れていたので友人は残念そう。
猫だらけの展覧会とはいえ、彼の足跡をたどる作品ももちろんあり、マチスやピカソの影響を受けていたことなども理解できます。ポスターの猫たちからそのことがうかがえるし、さらに自分のスタイルを確立していることも物語って。

午後は、潮田登久子「 本の景色 BIBLIOTHECA」写真展
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写真集を図書館で借りてすでに見ていましたが、実寸大の写真を見ると印象が強く迫ってきました。写真の写真を撮るというのは邪道な気がするものの、写真集は高価で手が出ないので気になるものを残したく。。。

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ブロッコリーと名付けられた左の写真は確か調べもの学習に力を入れている小学校の生徒の準教科書、調べた箇所に付箋を貼る作業の成果がこの状態に。
右の写真はさる大学図書館の修理中の古書。結束されている様は包帯を巻かれ治療中のように見えます。

人間より長持ち?するといえども不変ではない。骨董なども時間の流れを受けるでしょうが、紙は変化の度合いが早いのは否めないから。浅学ゆえ知りませんでしたが、一般的には和紙の方が洋紙より劣化が遅い(一説には洋紙100年和紙1000年とか)言われていますが、和紙を好むシバンムシ(死番虫)は普通の紙魚(シミ)より被害が大きいそうな。その様相がわかるのがこの写真。
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切り絵のようにもレース編みのようにも見えてきます。この状態ですら修理して原型に近ずけようとする修復作業は想像を絶します。
"本"の価値をどこに求めるかは人それぞれ。これらの写真を見ているとやはり生命体のように思えてきます。

2018年

04月24日

(火曜日)

女は二度決断する

なんと迷わされる映画でしょうか。

女は二度決断する


原題を調べてみると「カマイタチ」という意味らしい。
邦題の「女は二度決断する」は映画の結末をすぐに予測させてしまうからいかがなものか。

実話に基づいた作品とか。だからこそ重い。
テロのニュースを目にするたびに「『憎しみの連鎖』を断ち切らなければテロは終わらない」という言葉を、今のところ平和に過ごしていられる私などは安易に使いがちだけれど、人間の感情を深くえぐり揺さぶる場面に出くわすと、自分が冷静でいられる自信は全くない。
この映画への評は賛否両論というかさまざまな視点から書かれているようですが、評者自身がどれだけこの問題(人間という存在とも言い換えられるか)について突き詰めているかも問われているかもしれません。

それほどリサーチはしていないけれど、目に留まったのはこちら。
「深い悲しみと憎しみの先に人間が見いだせる希望のはかり」

逮捕されたネオナチのカップルが裁判中ずっと無表情だったのに、「疑わしきは罰せず」の原理で無罪との判決が出されると、喜びを爆発させて抱き合う様が印象に残った。彼らも人間なのだと監督は伝えたいのか?

「テロは許されない」と断定して一方的に断罪することは、その先の未来を否定する、実は膠着した考えのように思える。
現実の社会で世界を独善的に支配しようとしているあの男たちがまさにその様相を呈しているのですから。

2018年

04月24日

(火曜日)

気まま旅6

旅最終日。帰りの便はPM9時過ぎなので夕方たっぷり観光できるのは直行便ならではのありがたさ。

まずは今回の旅のおおきな目的の漫画博物館へ。宿泊ホテルをチェックアウトして荷物を出発時まで預かってもらい、徒歩で。
ホテルは植物園の近くで、あと一カ月もすれば緑が際立ってきて花々も咲き乱れるだろうと思われるが、まだ寂しい・・・

漫画博物館は、先に訪れたアールヌーボ―建築家のオルトが設計したデパートを再生利用しているそうで、建物自体もステキです。
タンタンやスマーフなど多くの漫画を世界に送り出してきたベルギーの漫画はアート・文化として評価されているという事がよくわかる博物館です。
丁度、特別展として中国の漫画の歴史が展示されていて、言葉が読めなくてもストーリーやオチ・ギャグが一目瞭然なのが漫画のありがたさ。
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たっぷり博物館やグッズ売り場を堪能して、また中心街のグランパレスへ戻り、最終日のランチはレストランやカフェで賑わう聖カトリーヌ広場へ。教会の前には夏は水が入っているらしい用水路があり両側の通りは並木道。
時間をずらすべく、まずは教会の中へ。ロマネスク、ゴシック、ルネサンス建築が混在しているらしい。広場の賑わいから一転した厳かな内部。

さてさてお店はたくさんあれど、食べたいものと予算の折り合いがなかなかつかない。
海の幸を立ち食いできる有名な店には行列が。。。昼からみんな飲んでるなぁ。混んでるなぁ。
20年近く前に訪れた際には食せなかったホワイトアスパラガス料理、昨日のベールセル城前のレストランで隣のテーブルで見かけたのが忘れられず、通りに出ている各店のボードに書かれているメニューを見ても見つからない。。。
諦めて、ランチのお値段が手頃なちょっと小さなレストランに入ることに。
店内は地元の家族連れやグループ、老夫婦などで、スタッフと和気あいあいの雰囲気が親しみやすく、メニューには書いてなかったけれど、ホワイトアスパラガスは食べられるか尋ねてみると、あった!やったー。
バーカウンターの前にはベルギービールの人気ビール、クワックビールのグラスも並んでいます。
念願のホワイトアスパラガスは歯ざわりサクサク塩加減が絶妙なシンプルな一品。

嬉しくなって、「今回の旅でホワイトアスパラガスとクワックビールを飲むのが夢でした」とウェイトレスの小粋なオネエサンに言うと「ホワイトアスパラガスにはちょっと甘いビールが合うから、クワックがイイですよ、ナイスチョイスですね!」と返してくれました。ありがとう!
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2018年

04月23日

(月曜日)

わくせいキャベジ動物図鑑

tupera tupera(ツペラツペラ)の絵本はシュールっちゅうかナンセンスというか、脱力系というか、実に私のツボど真ん中です。

これまでの絵本はこちら
https://www.ehonnavi.net/author.asp?n=7849

私が知ったのは2013年刊のパンダ銭湯
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そして2016年刊のわくせいキャベジ動物図鑑
「おいおい!」と突っ込みたくなる動物が続々登場。
ギリギリおやじギャグの際?!

わくせいキャベジ


手に取ってみて欲しいけど、とりあえず見てみたい人はこちらをどうぞ
https://www.ehonnavi.net/ehon/113882/%E3%82%8F%E3%81%8F%E3%81%9B%E3%81%84%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%99%E3%82%B8%E5%8B%95%E7%89%A9%E5%9B%B3%E9%91%91/

2018年

04月19日

(木曜日)

気まま旅5

4日目、今日は晴天。
やはり城を見たいという連れの希望で鉄道に乗って少し遠出、ベールセル城へ。この城からブリューゲルが愛した農村地帯へと続くブリューゲル街道を歩くことに。
ところがこれもまたフランダース観光局のパンフレットの地図がかなりアバウトで駅からの道筋がわからず。。。小さな無人駅で周囲も農地や放牧されている馬しかいない。。。
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頼みのグーグルマップを頼りに歩き始めるも何せ田舎なので目印がない。。。ようやく同年齢の男性に出会い尋ねてみると、彼は「車なら近いけど歩きか?」とスマホでグーグルマップを開き、道をあれこれ探してくれるが結局途中まで教えてくれて、そこでまた誰かに訊いた方がいいでしょうということに。
農村地帯と郊外住宅を通りながら歩くこと1時間余り、ようやく城に近づきました。時すでに昼食時。城に着けば売店かカフェがあるだろう・・・
が、城の前の門は閉ざされて人気もなし。。。ここも週末しか開いてないとわかりガッカリ。
城の近くのレストランに入り、喉の渇きをいやしたいものの、また歩くことを考えてアルコールは我慢。支払いの時、店の親切なウェイターに近くにあるという鉄道の駅を教えてもらう。それならビール飲めたのに残念。。。

気を取り直して市内に戻り、マグリットが無名時代に住んでいた住居を改装した美術館へ。
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ここも分かりづらかったよ~しかも鍵がかかっていて開かない?!玄関脇のベルを鳴らすと係りの人が階上から降りてきておもむろにドアを開けてくれる手筈。オルタ邸は美術館の態をなしていましたが、ここはまさにマグリットさんちにお邪魔する感じ。。。
ここに住んでいた時期にマグリットは多くの作品を描いていたそうで、彼の作品によく登場する窓や家具、家の前の街灯などを見ることができます。王立美術館のマグリット館とはうってかわって展示作品が少ないですが、人気もほとんどなく、静かにマグリットの世界と向き合うことができました。
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2018年

04月19日

(木曜日)

気まま旅4

ゲントからブリュッセルに戻ると雨が上がっていたので、メトロに乗ってルイーズにあるアールヌーボー建築家ヴィクトール・オルタの美術館へ。いやはや探しましたぞ・・・ガイドブックに載っているからそれなりに途中に案内板や指示があると思いきや、目の前に着いてようやくわかるという・・・
ウィーンでは美術館・博物館には国旗かサインの垂れ幕が下がっているので通りさえ間違わなければ辿り着いたけれど、ブリュッセルでは王立美術館以外ではちょっとてこずりました。
あらかじめグーグルマップをダウンロードしてオフラインで使えるようにしていて助かった!
とはいえ、こじんまりとした邸宅の周囲にも彼が設計した個人宅があって、通りの落ち着いた雰囲気は19世紀末~20世紀初のままのような錯覚すら覚えました。

歩き疲れて、夜はベルギー名物肉のビール煮込みをしっかりいただきました。"シェ・パトリック"は80年以上続く伝統料理の店だけどカジュアルな雰囲気でオーナーシェフの家族経営だそうな。店内のあちこちに飾ってある帽子はオーナーのコレクションだとか。ハウスワインのラベルは父息子の写真だし・・・
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2018年

04月19日

(木曜日)

気まま旅3

気まま旅の定番は高いところに登ること。

フィレンツェやウィーンの教会の塔への階段もかなり狭くて急でしたが、ここはさらに細い!
危険度が高いからかなんと途中にエレベーターが設置されている・・・
それほど長い階段ではないのでしっかり登って市街地を見下ろすことにしました。

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途中に鐘楼のカリオンのオルゴールの様子が見られるようになっていて面白い。
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ゲントの市街地を流れるレイエ川を船で郊外に進み、連れの今回のお目当てのオーイドンク城へ向かおうとするも、船着き場は閉まっている・・・ベルギーフランダース地方観光局のパンフレットには3月の最終週から城が開放されると書いてあるが。。。
街中のインフォーメーションセンターで尋ねると、どうやらフルシーズン前は週末のみの開城で船も雨で運航中止らしい。むむむむ。

雨と空腹で冷えた体を温めるために、ベルギーワッフルの発祥の店(という店が幾つもあるのかもしれませんが)と言われる「MAX」へ。
甘いものを食事代わりにすることは滅多にないですが、お値段がそれなりによろしいので、これで我慢。思った以上にサクサクでおいしゅうございました。リッチに果物やアイスクリーム乗っかったのには食指動かず・・・
隣の席では素敵なマダム二人がとても優雅なコースのランチを召し上がっておりました。
帰り際に彼女たちに「素敵なランチですね」と声をかけると「あなたたちも楽しんでね」と返してくれました。そんなささやかなやりとりが嬉しいのが旅の面白さかな・・・
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2018年

04月11日

(水曜日)

気まま旅2

まずは市内の美術館や施設等割引になるカードを市庁舎の観光案内所で求め、開館時間まで散策。ベルギーは王制国家。王宮はこれまで見たEUの他の国々より地味かな・・・
王立美術館へ向かう前に、前回立ち寄ったら休みで入れなかった「タンタンショップ」へ。
かれこれ30年以上前からファンだったベルギーの漫画家 Hergé 作「 Les Aventures de Tintin 」シリーズ。

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私より熱心に物色する連れ。。。私はフィギュアやグッズや作品のあれこれを眺めるだけで至福。

そして向かったのはブリュッセル市街を見下ろす芸術の丘に建つ王立美術館。
フランドル派を中心とする15〜18世紀までの絵画の宝庫だそうですが、4つの分野に分かれています。
musée magritte museum – From the quotidian to the extraordinary.
musée fin-de-siècle museum – Every end is a new beginning.
musée oldmasters museum – A stroke of genius.
musée modern museum – The curators’ choice.

もちろんボスやブリューゲル、メムリンクの作品を見ることができたoldmasters museum をたっぷり堪能。
写真をあまり撮っていなかったのでネットでたまたま見つけた方のblog「ベルギー一人旅」がありがたかった。
さりとて、今回の私のお目当ては19世紀末~のアンソールやスピリアールト、クノップフの作品群がふんだんに見られる世紀末館。
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さらに〆はマグリット館、マグリットの作品だけでなく現代のアーティストたちの関連作品も。ショップにはべルギービールとのコラボレーションもあって、重いから断念。。。
マグリット館では写真をあまり撮らず鑑賞に専念。

冬の雨天の中大満足したので、晩御飯は節約してメトロの駅近くのスーパーでワインとサンドイッチを買ってホテルでゆっくり。

2018年

04月11日

(水曜日)

気ままに春旅

3月の末に気ままな旅してきました。
今回は、家人が思いついた旅に乗っかって、昔旅した折に行けなかったところや見られなかったものを体験するという目的はあれど、出たとこ勝負。往復の便とホテルのみ予約して。今回は直行便だから、前回のようなエンジントラブルさえなければ予定通り戻れるはず。。。

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直行便なので到着は夕方早め、電車で市街地中心まで。予約したホテルを見つけるまでしばしウロウロ。。。ようやくたどり着いて荷を置いてまずは土地勘を掴みに。私と家人はとりあえず歩いてみる派なので。
天気も悪くなくグランパレスは観光客で溢れていました。

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現地はすでにサマータイムになっていました。夏の日本のように夜の8時近くでも明るい。
12月のアイルランドとはえらい違い。。。
まずは初日はムール貝とベルギービールで無事の到着に乾杯。

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早めに行ったのでうまく座れましたが時間が遅くなるにつれ現地の人と観光客が次々に入ってくる、周辺では人気の店らしい。ビールとムール貝、トマトのファルシー、フリッツ(当地の話ではブリュッセルが発祥の地と言われているフレンチフライ)がセットでお得なのも嬉しいレストラン「シェ レオン」

2018年

04月11日

(水曜日)

第37回 土門拳賞受賞作品展 潮田 登久子 写真展 本の景色 BIBLIOTHECA

先日書いた潮田登久子写真集「 本の景色 BIBLIOTHECA」展が今開催中!
http://www.nikon-image.com/activity/exhibition/thegallery/events/201706/20180410.html
毎日新聞に受賞の記事が掲載されていました。
https://mainichi.jp/articles/20180406/ddm/008/070/114000c

ひと
潮田登久子さん=第37回土門拳賞を受賞した
毎日新聞2018年4月6日 東京朝刊

受賞作品について語る潮田登久子さん=平野幸久撮影

潮田登久子(うしおだ・とくこ)さん(77)
 図書館や出版社、古書店で撮影した写真集「本の景色」が評価された。「私、本当に困っちゃって。日に日に(受賞が)重たくなって……」。眉をひそめ、ふふふと笑う。

 いくつもの「時」を感じさせる写真だ。本が誕生してから今までに流れた時、本に触れたであろうたくさんの人の時、そして20年をかけて撮影したという写真家の時だ。

 使い込まれた表紙や波打つページは一つ一つ表情が異なり、見ているうちに生きもののように思えてくる。端正なプリントと相まって、日本ではないどこか別の国、本だけの国に迷い込んだような魅力もある。

 「書庫は不思議な雰囲気がありますね」。室内に1人残り、本と対話しながら撮影する。気づけば驚くほど時間がたっていることもしばしば。持ってきたはずの眼鏡がなくなったこともある。何かがそこにいるような空気に満ちているという。

 声高に告発するようなドキュメンタリーではないが、写真を通して、本が作られた時代や読まれ方が見えてくる。「そういう意味では、私もドキュメンタリーをやっているんだと思っています」。家庭にある冷蔵庫を撮った過去のシリーズと同様、モノの中から現れる社会背景を大切にしてきた。

 「私に(受賞の)声をかけてくださったからには、それなりの理由があると言い聞かせています。半世紀、カメラを離さずにいたわけですから、今まで通り撮り続けないと、ねえ?」<文・高橋咲子 写真・平野幸久>

 ■人物略歴

 夫は写真家、作家の島尾伸三さん。受賞作品展はニコンプラザで。東京・新宿が10~16日、大阪が5月24~30日。

2018年

04月11日

(水曜日)

ルドン

4月になって身辺忙しくあれこれ動いている間に、ルドン展のことをすっかり忘れてた!
ルドン

展覧会の夜の開館の招待券に応募していたのですが、もうだめか・・・

井浦新から新司会者に変わった日曜美術館でルドン展が取り上げられていたから人の入りが増えてしまうか。。。
でも、この番組のゲストに鴻池朋子さんが出ていて、"ルドンの黒"について熱く語るのを聴けてよかった!
以前当blogでも彼女の作品に触れた興奮を語ったけれど、ルドンの影響を強く受けていたんだと知り、嬉しくなった。
なるほどね。

私が初めてルドンの黒い眼を見たのはいつだったろうか?
ルドンの眼

大好きな象徴主義の画家モローと一緒に見たのか?10年ちょっと前にコクーンミュージアムでやった「ルドンの黒~眼を閉じるとやってくる異形の友人たち」だったのか?
妄想と現実が渾然一体となる暗闇の中に一人静かに身を委ねる。。。
この作品が発表された当時は色彩と光の印象派の全盛期で、彼の黒の世界は全く評価されなかったらしい。ルドンも晩年は色彩溢れる作品に移行したとはいえ、根っこにはどこか不安定なトーンが漂っているように思える。そこが私にはたまらない魅力なのか。

2018年

04月03日

(火曜日)

潮田登久子 BIBLIOTHECA/本の景色

新聞に「土門拳賞」受賞者、潮田登久子の写真集から一葉の写真が掲載されていました。
https://mainichi.jp/articles/20180316/ddm/010/040/002000c
「BIBLIOTHECA/本の景色」
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様々な時代に多様な運命を辿ってきた「本」に触る楽しみを見つけた私は、例えば、15世紀ヨーロッパの修道士たちが聖務日課に用いた一抱えもある大きな祈禱書が目の前に現れた時、その存在感にただ驚き圧倒されるばかりでした。 羊皮紙に手書きのグレゴリオ聖歌と詩篇が刺青のごとく刻まれていて、美しくも残酷な姿です。 室町時代なのか、あるいは江戸時代のものなのか、黄ばんだ和紙の屛風仕立ての経文の一面に星屑のように穿たれた穴は、昆虫のフルホンシバンムシが来る日も来る日も経文を唱えるように食んでいった証ではないかと思ったりするのです。 生まれて初めて辞書引きを習った小学2年生の使っている国語の教科書には、彼らが身の回りにある「言葉」や「物」たちを手当たり次第に辞書引きし、付箋を貼りつめたものでした。 白菜やブロッコリーのようでもあり、彼らの脳みそのようでもあります。 「本」をオブジェとして写真撮影を試みているうちに、情報の担い手という「本」自体の持っている役割を越えて、新たに「本」そのものの存在が魅力となって浮き上がってきました。


私は本が好きです。どちらかといえば本の中味。人から借りたり図書館の本などはなるべく原型を崩さないように読みますが、自分のものは結構乱雑に扱っているので、売買には向きません。。。
しかしどれだけ丁寧に慎重に扱って保管しても朽ちてしまうのですね、紙であるからには。

この「BIBLIOTHECA」は、一頁一頁ゆっくりと開かざるを得ません。モノトーンの写真と紙質の味わいがそうさせるようです。
写真の中にはもはや本の体裁を失っているものも多いのですが、実に生命+が感じられるのが怖いくらいです。停止しているとは思えない。。。

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