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SpaceFわひね(wahine) 

一人ひとりが思いを、あるときは共有し、あるときは自由にたゆたう。。そんな場所をめざして 

2018年

02月25日

(日曜日)

四国旅3 道後温泉、松山城

伊丹十三記念館を後にして駅前のビジネスホテルへ向かい荷物を置き、タオルを持って向かったのは道後温泉。

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宮崎駿の「千と千尋の神隠し」のモデルと言われてるんでしたっけ?
湯につかるのが目的なのでオプションなしの一番安い料金で。
(その上のランクは浴衣付きで休憩所でお茶や煎餅、坊ちゃん団子などが付いている。。。)
貧乏旅行とはいえ連日質素なコンビニご飯ではサビシイので、2日目の夜は居酒屋で湯上がりビールと、肴は名物じゃこ天。
居酒屋一人呑みで困るのは料理の選択、あれもこれも食べたいが一人では食べきれない。。。
が、地ビールが売りの店内を見ると一人呑み率が3割くらい。お値段も他の店より安いので三皿ぐらい大丈夫そうだと踏んで、正解!伊予鶏皮焼きと鯛茶漬け。鶏皮がカリカリでまっこと美味かったです。

旅最終日は、またも山城登り、松山城へ。
以前来たことがある、城址好きの家族の情報によると行きはロープウェイとリフトのどちらか利用した方がよいとのこと。とはいえ松山城のサイトを見ると4通りある登り口のどれを行っても20分~30分とのこと。冬だからちょうどいい運動に歩いていこう。

意外に疲れもなく早くついてまだ開門15分前、少なかった人も、徐々に集まってきます。朝の空気は冷たいが梅がほころび清々しい気分。
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休日には開門セレモニーがありますとの放送。騒々しいのは願い下げだといささか腰が引けてしまいましたが、陣太鼓の音が響き終わったら、門の前に待ち並ぶ観光客が「カイモ~ン」と大声で叫びながら門をゆっくり押して入場する、というだけのことでした。
これはまたすっきりあっけない。セレモニー、とはたいそうな?!
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松山城についてはこちらをどうぞ。http://www.matsuyamajo.jp/

来た道とは違う石段のルートで山を下りると美術館や図書館が。ここもまた人が少ない。美術館の常設展をゆっくり見て帰途に。
最後の昼ご飯は鯛刺しシラス丼で決まり。
事前情報はお目当ての美術館のみ、それ以外は相変わらずの出たとこ勝負の旅、出発時は雪の関東でどうなるかと思ったものの晴れ女の面目躍如。(これでまた運を使いすぎか?)

2018年

02月25日

(日曜日)

四国旅 2 松山市

公園前の高速バス停から松山へ。

松山は文芸の町、歴史の町、漱石や正岡子規、「坂の上の雲」の秋山兄弟等々有名人所縁のあれこれ盛りだくさん。。。
が、
私のお目当ては伊丹十三記念館
伊丹十三記念館


蘊蓄オヤジは好きではないし、伊丹十三は映画監督としては好みではないけれど、老成しているとはいえまだオヤジ化してはいなかった"伊丹一三"の時から気になる存在でした。
記念館ができているとは、知らなんだ!
事前に記念館のウェブサイトをチェックするとこの建物の設計には建築家がかなりの力の入れ方だったと書いてあり、シンプルで実に私の好みだ!入口の前の車庫にこじんまりと入っているのがお気に入りだったベントレーが。
防犯装置はついているでしょうが、なんて無造作な。。。

記念館の常設展は"十三"にちなんで13のコーナーで編成されていました。
彼のデザイナー時代(当時は活版屋とか写植屋と呼ばれ軽んじられていたそうですが)、イラストや文字のフォントが面白くて新しい空気を感じたものです。
エッセイも屈折率高くてほくそ笑んで悦にいってました。普通の蘊蓄オヤジと違うのは含羞があるからか?
私はマニアックな人間ではないからか、一般の文学館や美術館で作家の直筆や手紙を展示してあるコーナーにはさほど時間をかけない方です、ここでは、それが主な展示だからキツイかなと杞憂しておりましたが、なんのなんの、時の経つのを忘れます。
館内は広くはないのでそれほど歩かずにすむもののやはり立ちっぱなしで疲れたのでCafeで一休み。庭には一本の桂の木だけ。
花壇とかないのが潔し。

文字ベースだけでなく、彼の初期の自作映画や画期的なコンセプトで作られた旅番組「遠くへ行きたい」、斬新なCMなどの映像も見られます。現代のTVやCMの原点ともいえるアイデアが詰まっていて、いろんな媒体を拓いた人だったとあらためて感じます。
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記念館の近くに松山銘菓として有名な「一六タルト」の工場や大きな店舗もあります。伊丹十三独演の愛媛地方限定松山弁一六タルトのTVCM、初めて見ました。和洋折衷のこの銘菓、それほど好みではないのですが興味が湧いてきました・・・

2018年

02月25日

(日曜日)

四国一人旅 1 高松、丸亀

1年半近く一人旅から遠ざかっていました。むずむず。

少し休みが続くことに気づいて早速手配したのは四国のピンポイントの旅。

瀬戸内島めぐりしてアート三昧、というには日程が厳しいし人気が高いようだからへそ曲がり人間としてはいま一つ気分が乗らない。
そうだ、以前友人がよかったと言っていた「猪熊弦一郎現代美術館」へ行こう!
「伊丹十三記念館」も面白そうだ。

高松に着いて丸亀に移動し駅前の猪熊弦一郎現代美術館の建築にまず口元がほころびます。
猪熊弦一郎館

猪熊弦一郎の常設展だけ見てきました。
猪熊弦一郎は晩年の線描画?
猪熊弦一郎
が好きなのですが、若い頃やパリ時代の人物画を今回初めて目にしました。20年住んだというニューヨーク時代の軽妙な水彩スケッチは人間観察の目があたたかくて、飽きません。
平日の昼間でほとんど人がいなくてゆっくりじっくり感じることができました。

いつも観光地巡りはしないのですが、城に登るのは好きだから古いまま残る丸亀城へ。
丸亀城jpg
当地の人の散歩コースのようですが、結構急坂で少し汗ばむほど。

晴天の中丸亀市内を見渡してしばらく歩いた後、高松へ戻り、翌朝ホテルの前の栗林公園散策。
「栗林公園」は名前とは裏腹に松の木が主。
千葉ではまだ固い蕾の梅ですが、こちらの梅林では程よくほころび、予定を遅らせた梅まつりに間に合いそうだと売店の女性が喜んでいました。
まだ開店準備中のところ声かけたらうどんを食べさせてくれました。讃岐うどんで温まりほとんど人がいない庭園を堪能。
たしか高校3年の夏休み、当時蟹族と言われた大型のリュック背負って、ユースホステルや安旅館に泊まりながら四国を歩いた折、ここにも寄ったはずだけど、ほとんど記憶に残っていない。。。

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2018年

02月25日

(日曜日)

テーラー伊三郎

いやいや旅のお供としてはキケンなエンタメ小説!
火炎瓶を投げる(?)82歳のじいさん!

「テーラー伊三郎」
テーラー伊三郎_


昨年初冬頃紹介された記事を目にし、内容をよく知らないまま読み始めました。
「嘘の木」のビクトリア朝の重苦しさから、今度は震災後の福島の小さな商店街で鬱々とくらす男子高校生の話。
頭のギアチェンジが必要か。。。と思いきや、読み進むにつれて、物語のもつ歴史的な背景が思い切りリンクしているじゃありませんか!我ながらビックリ。ま、こじつけだけど。

主人公(「海色」と書いてアクアマリンと読ませる!)の灰色の日常は、これまでなるべく接触を避けていた"年寄り"達に出くわしたことから、一気に沸き立つ世界へ加速していきます。
ここに登場する商店街の80代のじいさんばあさん達がもつ潜在能力?が発揮されていく様にはわくわくします。
彼らの、若者からみると"頑固さ"も、観方によってはしたたかな知恵に裏付けされているだけでなく、意外に融通無碍だったりするので、主人公アクア達の若さを新鮮に、率直に、寛容に包んで受け止めていき、相乗効果がぐんぐん花開いていくのです。

この物語を若い読者はどう感じるのだろう?年寄りを見る目が少し変わる?
かたい頭になってきた年寄り読者は自分たちを見る目が変わる?
わが年齢を前提に選んだわけではないけれど、この老人たちに出会えて、やはり私もこのまま身の程わきまえず自分にとって面白い日々(他人さまには理解されなくても)を愉しんで行こうと思えるのです。

アクアの同志となる福島弁全開の明日香が傾倒している"スチームパンク"はビクトリア朝の文化どっぷり、伊三郎が作り出す"コール・パレネ"は同時期のフランスのコスチュームデザイン。
アクアはエロ漫画の母親のアシスタントを否応なしで手伝う内にこの時代の歴史や文化の知識を深めていて、彼らが生み出す"革命"が福島の小さな商店街の人々だけでなく日本から世界へ広がっていくのか・・・

短い旅の間車窓を楽しむことと、物語の続きを妄想する非現実性で、脳内がキケンな状態でした。

「スチームパンク」を熱く語る明日香の話を読んでいて、私の頭には大友克洋の「スチームボーイ」がまず浮かび、「おお!」と一気に世界観が広がりました。
型破りな歴史エロ漫画を描きまくるアクアの母咲子のこだわりも、漫画愛好者としては興味深く、作品がどこかで実現化しないものかと妄想しますもん。津田咲子作「サンテティエンヌ寄宿学校の処罰」読みたい!
そして伊三郎が作り出し、個性豊かなばあさん達がコール・パレネをコーディネイトした姿を見たい!
さらにアクアの友達隼人とカメラ屋の大澤じいさんが作ったウェブサイトを見たい!

2018年

02月21日

(水曜日)

嘘の木

「嘘の木」 フランシス・ハーディング著

嘘の木

ヤングアダルト向けのファンタジーというくくりで高く評価されて、本邦初翻訳の作家ということです。
ようやく手元に来て一気読み。
読後に宮部みゆきの書評を見つけて、「この本を昨年の個人的なベスト1としたあなたを私は評価するぞ」、とエラソーに頷く私でした。
宮部みゆき書評

ビクトリア朝で生きる主人公の14歳の女の子フェイスは、ある時は弟と一緒に子ども扱いされ子供部屋に、ある時は母親とともにレディとして女性部屋に追いやられる。そうして成長すると、それなりの階級に属した女性の常として、淑女として丁重に遇されるものの、墓碑銘は男たちの"最愛の娘"、"最愛の母"、"最愛の妻"、個人としての名前は記されず(記すに値しない者?)、歴史の表舞台には現れなかったものとして葬られる運命。

これまで発表されてきた当時のイギリスに生きる女性たちの生きる様を伝える一連の作品と同じように、フェイスは当時の女性予備軍として生きていくには多感な感情や好奇心を持て余し、なんとか身の内に押し込めようとするけれど、父親の死をきっかけに暴走し始める。。。

彼女は、女たちがそこにいてもいないこととされるという状況を逆手にとって、『嘘の木』を見つけ、大人たちを観察し情報収集したり、怪しい情報をうまく流したりして大人たちを動揺させ混乱させていきます。
一人で奮闘するうちに、周囲の人々の、特に女性たちの隠れた感情に気付いていきます。

「フェイスはずっと、自分はほかのご婦人がたとはちがうのだと思い込もうとしていた。でも、そうではない。ほかのご婦人がたもひとりひとりちがうのだ。」
少女期は、劣等感と自己嫌悪と根拠のない自信と虚栄心やらなにやらで実に落ち着かないものだ。ましてや周囲が理解の無い大人だらけと考えていたら尚更。

宮部みゆきも書いているように、ラストで、これまで全く自分とは相いれないと諦めていた母親への理解がフェイス生まれ、母親も娘を自分とは違う個人として認められる気持ちが生まれます。

魔法や人智を超えたものを使える話ではありません。一人の少女が失敗を繰り返しながら、心身ともに傷つきながら成長する物語、と、拙い文章でしか書ききれないのがなんとももどかしい。。。

2018年

02月17日

(土曜日)

羽生結弦と藤井聡太

羽生結弦


藤井聡太


今日のニュースはこの二人がかっさらう事に。。。

昨日一緒に呑んだ友達も、今日一緒にワークをやった仲間もほぼ同世代で、「羽生は美しいからね!」「結弦くんは美しい!!」と。

天邪鬼な私、羽生は世間が見る自分のイメージを見極めて自分の"黒さ"を出す配分を計算してるようで(「違う!」という声と石礫が飛んできそうだけど)、そこは私としては"買い"。

藤井聡太は中学生とは思えぬ大人なメディア対応。彼の育ってきた環境による善人性なのか、囲碁界人の特性と思われる勝負の駆け引きとは裏腹な率直なるパーソナリティなのか、「こんな子どもだったら」「こんな孫だったら」と、大人に受けがいい。
人間度が低い私なんぞには見抜けぬしたたかな"黒さ"を奥底深く沈めているのなら、大きく化けて欲しいものだ。。。

2018年

02月15日

(木曜日)

ねこ町駅前商店街日々便り

「ねこ町商店街日々便り」
ねこ町_

いや~柴田よしきの作品とは思えないタイトルだし、装丁もいまいちだし、思いのほか分厚い。。。
とは思いつつ、ホラーもミステリーもファンタジーも変幻自在に操る柴田よしきだからね。。。

はい、読む前の予想をいい意味で裏切られて心地よく読了。
ねこアレルギー気味の私には縁がないですが、猫好きの面々にはたまらんかも?!

全国の中小都市の駅前シャッター街の再生はどこの地域でも改善困難な課題、
それぞれの地域の抱える独自性もあれば共通の問題も含めて、
時代の波で仕方がないという諦めが支配的な空気。。。
この物語の中でも何度もそういう堂々巡りの話が語られるから、少し辟易してくる感も。。。

が、そこはフィクションの世界?!
老若男女がそれぞれに、自分の力を目覚めさせていくことが繋がって再生への光が見えてくるというハッピーエンド。
きっかけはこのねこ町(根古万知)にふらりとやってきた猫?
この猫は果たしてUFOに乗ってやってきたのか?!

自治体や有識者がプロジェクト化する地域再生計画は、いまだにどこかシステマティックで男目線が支配的。
そんなあれこれを著者はかなり調べたと思われます。
そこから著者は、地域の活性化とは、人を呼ぶために観光地化することではなくて、住民が愉しい記憶を残せる町としての"祭り"を生み出すことを一つのてがかりとしていきます。

覇気が消えかけていた商店街のオヤジ店主たちや日常生活をなんとかやりくりする女性たち、都会からUターンした若者、先が見えない町でくすぶる子どもたちが、潜在していた力やモチベーションを高めていき、再生への強い思いをもった幾人かが角突き合わせ捻り出したアイデアを、大きく膨らませいろんな形で具体化実現して行く・・・

まぁ、紆余曲折しながらも町が再生していくファンタジー、と冷めた目で断じることもできるでしょう。
シャッターを下ろした年金暮らし商店主の「静かに暮らしたいからそっとしておいて」、という言い分の方に与したいというのが私の本音かもしれない。
そんな気持ちをお見通しの著者に活を入れられた気分です。

2018年

02月10日

(土曜日)

いかねば!

「くらもちふさこ・いくえみ綾二人展」
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うかうかしてると終わってしまう。二人の初めての原画展だそうです。
ずっと熱心な読み手だったとは到底言えない私ですが、友人たちや周囲のおかげで折につけ作品に触れてきました。
ともに、一作ごとに違う世界観を見せてくれて、驚かされる事を好物とする私は嬉しいです。

ここ一カ月ほど遠出をしていないから楽しみだ!

2018年

02月09日

(金曜日)

母は強し?2

リリース

産まなくても


「リリース」は書き下ろしで2016年10月発刊、「産まなくても産めなくても」は短編集で2017年2月発刊、各章は小説現代連載(2015年11月~2016年10月)、最終章のマタニティ・コントロールは書き下ろし。

図書館に予約していてほぼ同時期に順番が来た。
そして内容が思い切りリンク、シンクロ!
特に、「産まなくても産めなくても」の最終章の「マタニティ・コントロール」と「リリース」の世界では、ともに初の女性首相が誕生して、同性愛者が様々な方法で子どもを持つことができて、少子化問題が解消されている設定!

「リリース」は、異性愛者がマイノリティになっている世界。"男女同権"が"実現"?して同性婚が実現し、男らしさ、女らしさがネガティブなことと認識されている。。。
読んでいる間、ストーリー展開が予定調和ではないところに興味深く読み進めていく、が、登場人物が皆それぞれトラウマを抱え、性的アイデンティティが揺らいでいるのだけれど、そのリアルさが乏しく感じられて、ファンタジーとさえ思えてくるのは、私の共感度が低い所以か?

「産まなくても産めなくても」では、様々な不妊治療の事情が描かれている。その一つ一つが具体的に書かれていて、初めて知ったこともあり、あらためて自分の認識の浅さを思い知らされた。
ここに登場するマイノリティの痛みのリアルさはとても切実に伝わって来た。「リリース」から受ける印象との違いはどこから来るのか?著者の年齢差か、物語への思いの強さの違いか・・・

2018年

02月09日

(金曜日)

母は強し?

「スリービルボード」
スリービルボード

出演作はいつも気になるフランシス・マクドーマンド、今回も、不愛想でいながら、深い感情が見る者に迫ってくる演技は唯一無二だ。
アメリカ南部の小さな町で、人望厚い警察署長をビルボード(広告)を掲げて非難する挙に出た、怒れる母親ミルドレッドを圧倒的に演じている。

娘を死に至らしめた犯人を突き止めたい一心の行動がもたらす危険にも自分を鼓舞して戦う生き様は、周囲の人々にも混乱や困惑、そして少数ながら共感も生み出す。
娘との最後の別れになるとは予想だにしなかった口論の時を、悲しみと救われようのない悔いを抱きながら思い返していることを、彼女の表面の強さに圧倒されている周囲の者は想像していないに違いない。
内に向かう負のエネルギーと同じくらい強い力で、自分が住む町の住人、あるいは今を生きている全ての人に、不条理な娘の死の意味を問いかけている。
世の中の男たちと男たちを産み育てる女たちにも見て欲しい。

彼女の"敵"警察署、の面々を演じる役者たちが、巧くて、男たちへのやるせない思いも持たされてしまうのが、なんとも言い難し。
南部の白人男性の典型的な差別主義者として描かれていた警察官が、署長の死によって自分と向き合い葛藤し、警官としての有能さと良心を取り戻していくところが、一面的ではないところを担保する演出の狙いだろうけれど、この映画の苦さを緩和してしまうかも。。

「ローズの秘密の頁」
ローズの秘密の頁

これは第二次大戦中のアイルランドの物語だけど、普遍的なテーマとして現代にも大きな問いかけをしている。

「スリービルボード」にも教会の牧師の倫理への懸念が強く描かれていたけれど、カソリックのアイルランドではさらに深刻な問題提起。
当時の教会の教えによると、女性が目を直接見ることが許されるのは夫だけだったそうな!?
未婚なのに男性を直視するローズは、そのことだけで娼婦呼ばわり!

フランシス・マクドーマンドと同じように常に気になる役者のヴァネッサ・レッドグレイヴと、出演するたびに違う役柄を演じるルーニー・マーラは、随分違うタイプの俳優だけど、二人の演技力は甲乙つけがたい。
ストーリーはラストでファンタジー的な結末を迎え、ある意味カタルシスをもたらしてくれるけれど、それが望ましいエンディングとは言えない気がして映画館をあとにした・・・

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